手羽先は味を染み込ませるために一晩以上寝かせます。
食べたときに表面だけでなくじゅんわりと美味しさを感じていただけるのはこのためです。
なので1日の提供数が決まっています。
数多くご注文の方は2日前までにご予約いただけると大変助かります。
手羽先を揚げていると、揚げ油が増えていきます。これは手羽先から美味しい脂が出ているからです。
全く新しい油だけを使用すると、あっさりしすぎた手羽先になってしまいます。手羽先から出た脂も戸田塩だっ手羽の美味しさの秘密でもあるのです。
また、この揚げ油は手羽先とポテト、素揚げ野菜以外は揚げません。鶏肉に他の食材の香りがつかないように、油が汚れないようにしています。
沼津市原で養鶏をしていた父のお姉さん夫婦が、沼津港にお店を出すときに、生の鶏肉だけだと売れないからと鳥のから揚げをお総菜として作ったのが戸田塩だっ手羽の元祖。『東海ブロイラー』という名前で、お魚屋さんや市場で働く方々に大人気。私も小さい頃、朝早く市場に行ってお店のお手伝いをしたこともありました。その後、養鶏も沼津港の店もたたんでしまいましたが、伯母夫妻の自宅に隣接されたスナック『伽羅』の看板メニューとして、塩味のから揚げはつい最近まで親しまれていました。戸田に住んでいた私達が戸田のものを使って何かできないかと考えたときに、「おばちゃんちの手羽先を戸田塩でやろうよ!」と主人が提案。すぐに父におばちゃんちのから揚げを教えてもらいたいと話し、肉の仕入れ、味付け、揚げかた、など美味しさの秘密を全て教えてもらいました。あべどりを使っていたのは、養鶏をしていた時の肉質に似ていたからとのこと。他の鶏肉でも試してみましたが、冷めたときの味が一番美味しいのがあべどりでした。
衣は片栗粉のみを使用。素揚げに近い状態、さっぱりとした塩味は小さいお子様からご年配の方まで食べやすいと喜ばれています。
おばちゃんちの手羽先は、亡き父が大好きだった味。
私の大切な手羽先から揚げで笑顔でいっぱいになってもらいたい。
これからも変わらない味を作り続けていきたいと思います。